介護予防実践運動指導員養成研修

行動科学~楽しく安全に健康・体力の維持・向上に役立つ行動習慣の形成~

2006.10.15(横浜) 日本体育大学 森川貞夫

はじめに~何を学ぶか

<1>人がどのようにして健康行動を獲得し、維持していくかの過程の理解のための行動科学の基本的な考え方を学ぶ。
<2>指導員が健康行動を定着させるための効果的なプログラムを実践していくために、対象者や周りのスタッフとのコミュニケーション能力を高めるための基本的な考え方や基礎技術を習得していく。

1.指導対象への理解

(1)歳を取るということ

「老化」・「障害」・「衰え」

1)労働能力
2)経済的自立
3)健康<
4)日常生活の維持、自立の喪失
5)社会的役割の喪失
6)社会関係からの孤立

(2)運動と体の関係

ベットレストテスト(石飼利寛『スポーツと健康』)

1)骨がもろくなる。
2)筋力は低下し、とくに足が弱る。
4)動悸を訴えたり、立ちくらみが多くなる。
5)脂肪が増え、血液の循環が悪くなる。
6)必要な酸素などを送れなくなったり、コレステロールもたまりやすくなる。

人間の体は動かさないでいることによって、骨も筋肉も心臓も血管も肺臓もだめになってしまう。

2.健康のための行動変容

(1)なぜ健康行動が定着しないのか

健康習慣(活動的なライフスタイル)の維持・形成

週2回以上、1回30分以上の運動を1年以上継続している成人の割合

    男 (  )%

    女 (  )%  (「平成15年国民健康・栄養調査」)

運動しない理由ベスト5(%)

①仕事や学業があるから 35.8 ①仕事や学業があるから 24.8
②費用が高いから 17.0 ②子どもや高齢の親族の世話をしているから 22.0
③高齢だから 16.3 ③費用が高いから 18.2
④身近に施設がないから 12.7 ④高齢だから 16.7
⑤一緒にする仲間がいないから 12.6 ⑤一緒にする仲間がいないから 12.9

(『スポーツライフ・データ2004』笹川スポーツ財団)

(2)プログラム開発・実施上の問題点

1)プログラムへの誘い方の計画・検討が不十分である。
2)プログラムに参加する前の健康行動に対する準備性への配慮が足りない。
3)プログラム実施日以外の日常生活に対する視点が足りない。
4)正しいやり方や知識を教えることを重視しすぎている。
5)行動変容、行動定着に影響を及ぼす要因への配慮が足りない。

(参照 図-「行動変容に向けた健康教育の在り方」『健康づくり』No.326)

3.健康行動の定着に向けた支援のポイント

(1)健康のための行動変容

実践事例1(あなたならどうする)

(2)行動変容:だれの問題か

実践事例2(あなたならどうする)

(3)行動変容モデルの基礎理論 

①セルフケア行動シーソーモデル

長谷川浩・宗像恒次『行動科学と医療』弘文堂、1991年、15頁

②段階的変容モデル

ステファン・ロルニック他『健康のための行動変容』法研、2001年、51頁

行動へのモチベーションを高め、自己決定力を形成するために

1)いきがいと結びつくとき
2)成功体験・自信を高める
3)無力感を克服し、自己効力感を高める
4)セルフケア行動を育てる

おわりに~学びと高め合いのネットワークづくりへ

社会的支援ネットワークづくり

つみかさねのできる活動

「総括」能力

方針――実践――総括 → 再方針――再実践――再総括→事実に基づいて総括する

記録

  「批判」と「非難」はちがう

三共主義のすすめ

  「地域で共に行動し、地域で共に考え、地域で共に生きる」

【参考文献】

竹中晃二編『身体活動の増強および運動継続のための行動変容マニュアル』(財)日本体育協会、ブックハウス・エイチディ、2005年
Patrica M.Burbank,Deborn Riebe編著、竹中晃二監訳『高齢者の運動と行動変容』ブックハウス・エイチディ、2005年
ステファン・ロルニック他『健康のための行動変容』法研、2001年
長谷川浩・宗像恒次『行動科学と医療』(中川米造監修『講座・人間と医療を考える』第3卷)弘文堂、1991年
(財)健康・体力づくり事業財団『健康づくり』2005年6月号~2006年3月号

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