設立趣意書

 このたび私たちは日本における国民スポーツの発展を願って国民スポーツ研究所を設立することにしました。
スポーツは本来スポーツが育くみ、育てられる社会の中でその内容と実質をつくりあげるものです。今日のスポーツが私たち国民にとっていかなるものであるのか、あるいは何であるべきかについてはスポーツが今日までにたどってきた歴史と現状について十分な検討が必要でしょう。

しかし、このような国民スポーツについての研究は日本のこれまでの研究では十分には行われてきませんでした。日本のスポーツの歴史がそうであったようにスポーツ研究についても未だに国民の立場にはっきりと立脚して進められるということがまだ弱いのです。

日本国憲法に示されているように、平和と民主主義・主権在民をつらぬくスポーツのありかたたが問われていると私たちは考えています。また、スポーツが国民の幸福と生活の向上に基礎づけられながら、さらに国民の健康と生きがいとして心から国民に受け入れられることこそもっとも大切なことだと考えています。そのためにスポーツのありかたがどうあるべきか、スポーツのクラブやスポーツの組織がどうあるべきか、スポーツの指導はどうあるべきかなどが問われているといってもいいでしょう。

地域のスポーツ活動においても”地域にねざすスポーツ”が問われています。スポーツが真に地域住民のものになるためには、「権利としてのスポーツ」論の確立と同時に地域スポーツ運動を推進していく主体の形成が必要です。いわゆる「スポーツの主人公」を育てる課題です。

スポーツは自由で自発的な活動です。しかし、そのための条件づくりとより楽しみを広げていくためには多くの仲間が必要です。これと同じように国民のスポーツを発展させるための理論と実践のための研究もまた多くの仲間が必要です。ここに国民スポーツ研究所を設立し、同時にこれを支持し協力していただける方を心から待ち望んでいます。

     1984年10月10日 「体育の日」に
国民スポーツ研究所設立のためのよびかけ人
代表  森川 貞夫(日本体育大学)

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